離婚

【離婚】年金分割について

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    すっかりご無沙汰しておりました、弁護士栗田です。

    4月になり、ようやく温かくなってきましたね。

    桜が咲いて、春が来たなぁと思ったらあっという間に散ってしまいましたね。

    事件も桜のようにパット咲いて、パット解決してくれたら良いんですけど、そうもいきませんね・・・。

     

    さて、今回は年金分割についてお話ししようと思います。

    年金分割の制度は平成19年に導入された制度ですが、10年経過し、ここ最近かなり定着されてきましたね。

     これまでは、相談者に「年金分割」の話しをしても「?」ということが多かったのですが、最近は相談者の方から「年金分割」について質問されることや、やりたいといわれることも増えてきました。

     導入当初は、弁護士でも年金分割のことを助言し忘れることもあり、後に弁護過誤で訴えられる事案が頻発したようです。

     現在でも理解していない弁護士はごく稀にいて、妻側の代理人として私が年金分割を求めたら、「年金分割なんてやらねーよ、そっちが年金分割求めるなら、こっちだって求めるぜ。妻の年金分割しろ」って言って来た弁護士がいました。

     (注:実際は、もっと賢そうな言い方で言って来ましたけど、言ってる内容はバカ丸出しなんで、多少デフォルメして表現しています。)

     

    年金分割とは・・・・婚姻期間中に夫婦でそれぞれ払っていた厚生年金保険料を合意された割合で分割するという制度です。

    わ、わかりにくい。

     簡単に言うと、支払ってきた保険料を分割するという制度であり、貰う年金が半分になるという制度では決してありません。

     

     既に年金額の見込みがわかる世代の方は、「年金分割のための情報通知書」というのを取り寄せる際に、年金分割をする場合としない場合の金額を教えてもらえるので、差がわかるのですが、そうでない世代の方の離婚では、どれぐらい将来の年金に影響があるかは正直わかりません。

     

    例えば、婚姻期間が30年以上で60代の方の離婚だと、年金分割をする場合としない場合とでは年間に受け取られる年金が年間50万〜60万円ぐらい差が出るようです。(※もちろん納付保険料によって違いますので、一例にすぎません)

    年金が支給される年齢から最低でも10年間は生き延びるとしてと計算しても10年×50万=500万円です。

    バカに出来ませんね。20年になれば、1000万円です。

     

     制度のことや小難しいことは、他のサイトがたくさんあるのでここでは、実務的な事だけをピックアップします。

     

    Q「合意された割合」で分割するいわゆる「合意分割」の場合、いったい どれくらいの割合で合意されるのか?

    A ほぼ争い無く年金分割の按分割合はほとんどの場合0.5です。

      婚姻期間中、納めた保険料を半分こにするという事になります。

     

    Q では、分与する側が0.5も渡したくないと主張し、これを0.4とか0.3にすることは可能か?

    A 争いたければ争えばいいですけど、ほとんど無理です。

      ちなみに、平成20年4月以降の離婚で可能になった「3号分割」については、有無を言わさず0.5ですので争う余地はありません。ちなみに「3号分割」というのは専業主婦の方(年金の3号被保険者の方)の分割のことです。

     ただ、代理人や調停委員の説得も空しく、ごく稀に、抵抗し続ける人がいます。無駄な抵抗は止めましょう。

     ちなみに、逆に半分以上欲しいんだけど、例えば0.6とかということも可能か?という疑問もあるかと思いますが、これは出来ません。当事者が、OKといっても制度としてできないことになっています。

     

    Q 夫側から妻側に年金分割を求めることができるのか?

    A 出来る場合もある。

     年金分割は、多い方が低い方へ分けるという制度ですから多くの夫婦は、夫側の年収が高く(=保険料が高い)、夫から妻への分割がほとんどです。なので、夫側が妻側に分けるということになりますので、夫側から妻側に年金分割を求めることは出来ないということになります。この点で、冒頭に紹介したイタイ弁護士が理解していないことがよくわかりますね。

     しかし、稀に逆パターンがあります。

    夫は国民年金だけど、妻が厚生年金・共済年金に加入しているというパターンや、互いに厚生年金だけど妻の方が収入が多い、ばりばりのキャリアウーマンの場合など。

     こういう場合は、多い方から少ない方へのルールに基づいて、夫側から妻側に年金分割を求めることが出来ます。

     

     夫側からの相談でも、夫婦の加入年金などには十分注意を払う必要があります。

     

    Q 年金分割はいつ請求する?年金を貰うとき?

    A 年金分割は、離婚の時に請求しましょう。し忘れた場合は、離婚の成立した日から2年以内にしましょう。

      「しましょう」というのは、単に相手に「分割して」と言うだけでは駄目です。

       当事者で年金分割の話合いをし、「合意」をしたという書面を作成しなくてはいけません。

      離婚調停や離婚訴訟で離婚し、代理人を立てているからは、ほぼもれなく手続きをするので良いのですが、問題は「協議離婚」で話合いで解決をしてしまっている方々です。

      手続き上要求される書面は、けっこうめんどくさいです。調停や訴訟ではない場合、「公正証書」が必要です。

      年金分割を定めた書類として認められる公正証書は

     「当事者間の合意がある場合は、按分割合と分割の請求について合意していること及び当事者それぞれの氏名・生年月日・基礎年金番号が記載された公正証書の謄本若しくは抄録謄本又は公証人の認証を受けた私署証書」が必要なのです・・・。

      め、めんどくさい。

      

     こういった書類が無くても、合意している旨が記載された書面に当事者が署名押印した書類と提出者の身分証明書と実印及び印鑑証明があれば出来る様ですが、いずれにしてもめんどくさい。

     結構めんどくさいので、あとから年金分割の調停や審判を起こすのも一つの方法だと思います。

     

     離婚の時は、相手とまともな話合いが困難な場合が多く、とにもかくにも早く離婚届けを出したいということで協議離婚を出す方がいます。

     それはそれでやむを得ないと思います。

     ただ、離婚してから2年以内に、年金分割だけの調停(審判)を起こすことも 可能です。この場合、相手も抵抗しない可能性が高いのと、相手も法律相談に行って相談した上で来る事が多く,抵抗しても無駄だと理解して調停がすんなりまとまることが多いです。上記の様な合意書面を作るよりは簡単だったりします。

     

     離婚をしたときに、年金分割をしなかった方は、諦めずに手続きをしましょう。

     特に、婚姻期間が長かった方は、後で後悔しても取り返しが付きません。

     大切な老後の資金を確保しましょう。

     

     そして、最後に、今月の作品を・・・・

     

      花見をするわんこ。

      相変わらず羊毛フェルトに励んでいます。

      

      そういえば、明日から世間様はGWですね。

      栗田法律事務所は、3日〜8日はお休みです。

                  ★その他は営業しております★

     

     

      

     

     

     

      

     

     



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